特注家具・オーダー家具の株式会社森下 ~ 船堀の家具屋ブログ ~

オーダー家具・特注家具の株式会社森下 〜 社長ブログ 〜

6月2010

勘弁してください・・・図面屋さん

 『室内と階段の間仕切り家具としてこのようなデザインとなったようですが

 地震が来た場合、床固定しか出来ない状況なので室内側か階段側に

 必ず倒れる構造となっており人命に関わる問題となっています。』

(原文のまま)

 

これなんの文章かわかりますか?

わかるわけ無いですね?

私も理解するのにしばらく時間がかかりました・・・

というか、いまだに理解できていません!

 

実はこれ「納期まであと一週間」という切羽詰まった状況にあった

住宅家具の家具図に記載されていたコメントなのです・・・

 

たま~に仕事を頂く取引先のお客さんなのですが

もともと家具屋ではないので家具の仕事が入れば我々に声をかけてくれるのです。

通常は設計士もしくはデザイナーと直接打合せから私が参加して

「あ~でもない」「こ~でもない」と繰り返し打合せして私が家具図を作図するのです。

しかし!

「今回はもう家具図は出来ているから製作だけお願い!」

ということで渡された図面に記載されていたコメントが最初の文章・・・

 

 

・・・!?

この図面を作図した人は一体何がしたかったのか?

こんな状態の図面を渡された家具屋はどうしたらいいのか?

 

考えられる選択肢は4つ!

①:とりあえず意味不明な理由付けてこの物件はお断りしようか?

②:このまま放置しておくか・・・

③:あのコメントは見なかった事にして製作しちゃうか!

④:納期を延ばしてもらい最初から打合せをやり直すか?

 

どれも厳しい選択だ・・・

一番現実的なのは④かな?

イヤイヤ・・・①も捨てがたい

納期まで一週間・・・材料発注から考えると時間的にも厳しい!

では④の「納期を延ばしてもらい最初からやり直そう!」

これが一番現実的か・・・?

イヤ!やはり①の逃亡も手段の一つだ!

・・・①か④か・・・!?

 

   私    :「④の納期を延ばして最初からやり直す」でお願いします!

みのもんた :「・・・」

   私    :「・・・?」

みのもんた :「ファイナルアンサー?」

   私      :「・・・!?ファッ!ファイナルアンサー!!」

みのもんた :「・・・?!」

        「それではあなたはもう元に戻ることはできません・・・」

 

というような感じの葛藤が頭の中をグルグル回るわけです。

最終的に④の納期延期を我々のお客経由で工務店に申し出たのですが・・・

工務店から帰ってきた返答はこんな感じでした!

 

「なんとしても納期までに取付完了してください!

             万が一終わらない場合はペナルティです!」

 

う~ん!きょうれつ~!!

とか言っている場合ではない!!

図面が完成して無い状態で現場取付完了があと10日後・・・

もう時間的に不可能だ!

この難局!どう乗り越えるべきか・・・!

 

・・・と考えた挙句に出した答えは「無理な物は無理!」

よくよく考えたら、そんなコメントが入った家具作れるわけない!

人命に関わる問題を放置している図面を作図している人もどうかしている・・・

まさしく図面屋さんの描く図面です。

「ど~やってこの金物使うの?」とか

「ここの作りはどうするの?」とか

頭が痛くなる図面でした。

家具屋の図面だって欠点はあるかもしれんせんが・・・これほどひどいものではない!

 

今回は事情が事情なので、はっきり出来ませんと言うべき仕事・・・

しかし、そこは家具屋ですから・・・結果なんとかしましたけど。

どうやってなんとかしたか?というと、「開き直りの境地」というやつです。

最初から打合せをやり直したのです。

 

工務店には事情を説明し、工程を再度組み直してもらう事に・・・

さんざん嫌味を言われましたが「無の境地」です。

そして、納期まであと10日となった状態で設計士のところへ

お客を連れて打合せに行ってきました・・・

ま~プンプン状態の設計士・・・

それも当然です。今さら打合せをする内容の事では無いですから。

その設計士はもうとっくに製作に入っているもんだと思っていたわけです。

設計士にしてみれば、家具の件についての問い合わせがないから

何も問題が無いもんだと思っていたらしいのです・・・

しかし、フタを開けてみれば・・・このありさま。

直前に話を持ってこられた家具屋の私プンプン状態の設計士としてみれば

ここまで家具の打合せを先送りしてきたさんと同類として怒られるわけです・・・

なんとも納得のいかない状況!

しかし、そこは大人!

一緒に頭を下げるのです・・・あぁ~これが大人社会

厳しい現実・・・!

 

そして私にはもう一つ厳しい現実がまっています・・・

それは、こんな状況の家具図を工場に持って行き納期まであと一週間!

と工場にいるなんも専務はじめ工場長に伝えると・・・

それはそれはもう暴動が起きそうなぐらいの勢いです!

そんな時間で出来る訳ないだろ~!!!」

・・・そのお怒り、ごもっともです。

 

そして行き場のない私のこの感情はというと・・・

私のお客とこの図面を書いた図面屋へと向かうことになるのです!!!

図面屋さんにも困ったものです!

二カ月かけてこの図面・・・実際に家具を造る人ではないので

言われた通り図面を書いたらハイ終わり!無責任極まりない!

しかし、家具屋はいくら図面通りに製作したところで、

万が一人命にかかわる問題が発生した場合に

責任は製作した家具屋に来るわけです・・・

お客さんには「次回からは図面はウチで書くから変な図面屋に頼まないで!」

と言う内容と「次回またその図面屋が図面描くならウチは作りません!」

厳重注意をして今回はなんとか現場に納まりました。

 

しかし、先日またそのお客から図面が送られてきた・・・前回と同じ図面屋が書いた図面!

果たして、この展開はどうするべきか?

 

厳しい現実が待ち構えている大人社会です・・・

 

 

 

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~ 想いを形にする職人集団 ~

お客様の想いを形にし、新たな生活空間を創造する。
そして家具を通して新たな物語が始まる。
これが私達の家具創りのテーマです。

 
 
これはジャパンブランド「tobi」で我々が自社紹介文に使用した文章です。

 

今日はこの文章について少しお話です。

私の家具に対する考え方みたいなものです。

 

職人は物語を造る仕事をしなければならない

この言葉は、私が宮本茂紀さんと初めてお話した時に言われた言葉です。

この言葉を聞いた時、「やべぇ~この人!超カッコいい!」と思いました。

 

なぜこの言葉に私がこだわるのか?

オーダー家具を非常によく表している言葉だと思うからです。

材料にも物語がある!」

これは先日『素材に対する感覚』で話をしたのでそちらを見てね!

 

 

そして今回のテーマは・・・「にも物語がある!」ということだ。

オーダー家具の打合せをしているといつも思う

その人のそれまでの生活家具に表れてくる

「どのように使うのか」・「どこに何を収納するのか」・「どういう所にこだわりを持っているか」・・・

打合せする度に思う千差万別十人十色

だから、他の人から見ればガラクタに見える家具でも

その人にしてみれば唯一無二の家具となる。

 

そこに物語がある!

既製品オーダー家具の最大の違いだ!

だから寸法を間違えたり製作途中で変更になったオーダー家具は墓場行きの家具となってしまう!

アウトレットとして販売出来ればそれに越したことはないが

オーダー家具の場合は転売が出来ない・・・

他の人の物語の上で製作したオーダー家具は、他の人にとって魅力ある家具であるはずが無い

物語が違うのだから・・・

 

物語にも2種類ある

一つ目は、「それまでその人が生活してきた習慣・クセ」など

いわゆる歴史みたいなものだ!

わかりやすく言えば、こんな人

「トイレで読書するクセがあります、だからトイレ収納には本を収納したいのです」

そして造りました!トイレで本を収納できる吊戸棚

 

こだわってますこの家具!

 

実はこれ我が家の事なんですが・・・

それまでの習慣・クセはどうしても抜けないもの

いつも妻から「トイレに本を持ち込むな!」と怒られていた私・・・

トイレに本棚を造ってしまえばそこに収納出来るので怒られる回数も減りました

 

二つ目は、「これからどのように生活を変えていこうかという希望・夢」など

いわゆる目的みたいなもの!

わかりやすく言えば、こんな人

「いつもパソコンをする時、食卓でするしかなかった・・・パソコン専用のカウンターが欲しい」

そして造りました!パソコン用のカウンターテーブル

 

今まで食卓にあった左側に小さく見えるノートパソコン

 

実はこれも我が家での出来事・・・

毎度、食事をするテーブルでパソコンをしていた妻!

食事時になるとパソコンを横にずらすだけだったり、床に置くだけというずさんな管理!

その態度にイライラしていた私!パソコンは別の所でするように専用カウンター

造ってしまいました!

これで夫婦円満のはずだったのですが・・・

 

トイレの本棚収納パソコンカウンターも妻にしてみれば余計な物

しかし、私にしてみればそれまでのストレスやイライラが解決出来てしまう優れモノです!

ちょっとレベルの低い話になってしまいましたが・・・

 

オーダー家具には物語がある、そしてオーダー家具から新たな物語が始まるのです!

「どうしてその家具の形状になったのか?」

「どうしてその寸法になったのか?」

「どうしてその材料にしたのか?」

「どのように使用する家具なのか?」

これらの事を踏まえて製作された家具は空間の一部というより生活の一部となる

そうすればそこで生活する人のこれからの習慣やクセに影響を与える

するとまた新たな物語が生まれてくる!

 

家具作りを通して生活空間・ライフスタイルを創造している仕事なんです!」

と最近では考えるようになりました。

使用する人の事を考えないで製作する家具は、量産品家具になってしまいます・・・

それは、ベトナム産や中国産のホームセンターで売っている家具に任せる事にします。

私は一点一点全ての家具を使用する人の事を考えながら製作する家具屋に

この会社をしたいと思っています!

 

真面目でしょ?

 

 

 

いま、理想と現実の間に挟まれていますが・・・

40歳までは迷いながら進むことにします!

 

この道を行けば・・・どうなるものか・・・

危ぶむなかれ、危ぶめば道は無し・・・

アントニオ猪木のあの言葉を思い出します。

 

宮本茂紀さんが初めて教えてくれた言葉・・・

職人は物語を作らなければならない

心に響いた言葉でした。

 

 

 

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拝啓!情熱大陸様 『巨匠・宮本茂紀さん』・・・想いの強さ!

本日はミネルバ宮本茂紀さんにお話しを伺った時のお話し。

(随分前の話ですが、いつかブログにしようと温めていました・・・いよいよ本日公開です!)

 

今回は宮本さんが若かったころのお話です。

外国の女性写真

 

この写真は一体なんの写真なんだろう・・・?と思うでしょ?

その昔、宮本茂紀青年は北欧の家具特にデンマークの家具に強い憧れがあったそうです

そして自分はいつしか、世界で活躍する家具職人になるんだという強い想いを持っていたと

そして当然ながら世界で活躍する自分は将来の妻となる人は金髪で青い目の西洋人に違いない!

ということでイメージを膨らませる為にこの外国の女性の写真を持ち歩いていたというのです。

宮本さんは冗談ぽくこの話をして下さいました。

 

しかし、私にとってこの話は冗談には聞こえなかった・・・この想いの強さ

あの女性の写真をもち歩く事がある種の決意の表れであるように思います。

 

当時はリアカーで家具を運んでいた時代に世界に目を向けていたという

 

 

 

今の私は果たしてどれくらい将来の自分を強くイメージしているのだろうか?

何となくこうなりたい、とかあんな事がしてみたいなどと漠然とイメージはしているが

宮本さんのように具体的にイメージするほど力強くないことを自覚してしまった・・・

 

自分の将来の姿を具体的にイメージできていないということは、

今の自分はただ目の前の仕事を一つ一つこなしているだけになっているのではないか?

突然、目の前から仕事が無くなったら自分はやることが無くなってしまう・・・

なんと浅はかな私でしょう・・・

この写真を見せられた時、なぜか解りませんでしたが

ただひたすら「このままじゃいけない」・「このままじゃいけない」と繰り返していました。

そして自分も漠然とした将来の姿ではなく、具体的な将来の姿をイメージする事にしよう。

 

どこかの居酒屋の親分がこんな事を言っていた

「夢に日付を!」

そうすれば今の自分が何をしなければいけないか見えてくると・・・

じゃぁ私も日付を入れてみようかしら。

 

最後に宮本さんからのメッセージ!

人生とは所詮夢である、夢を持ち続ける事が大切なのだ

常に将来の自分をイメージすることが大切なんでしょうか・・・

だから宮本さんは70歳を超えても現役バリバリで活躍しているのでしょう

私も負けていられない!

 

子曰く

十五にして志!

三十にて立ち!

四十にて惑わず!

・・・そういえばこの前、立ったばかりだった!

もう一度、じっくり考える事にしよう!

「何がしたいのか?」「何がやりたいのか?」

焦っていはいけない!

四十までに迷わなければOKか?

 

たまには真面目な事も考えているのです・・・

 

 

 

 

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