特注家具・オーダー家具の株式会社森下 ~ 船堀の家具屋ブログ ~

オーダー家具・特注家具の株式会社森下 〜 社長ブログ 〜

家具職人が造る『印鑑収納箱』

昨日このブログでお話しした、HPがきっかけで製作することになりました

印鑑収納箱をこんな風に造りましたという話。

 

 

30角のサイコロ状の無垢材にゴムをつけて印鑑をつくります。

その印鑑を収納する小箱。

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箱の大きさは持ち運びができるようにコンパクトサイズ

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箱の中身はこんな感じで収まります

 

メラミン化粧板などで製作すれば簡単な箱ですが

ナチュラルな感じを出したい』という事で今回はタモ突板と無垢材を使用して製作。

 

ここでこだわりのポイントがあります。

無垢材の接合部分ですが、見た目がキレイという事で小口をトメで接合することになりました。

 

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斜めにカットして接合することをトメと言います

 

そしてトメを接合するには色々な接合方法があります。製作する職人によってやり方は様々です。

今回は、『留形千切接ぎ』という難しい名前のやり方・・・

名前は難しいですが考え方はすごくシンプル

 

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無垢材にこのような穴開け加工をして

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このような蝶々みたいなもので接合するのです

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 このような形で組み立てます

 

通常はこのプラスチックでできた蝶々みたいなものを使用するのですが

今回は職人からの提案で蝶々が目立たないようにしようと手作りしました。

 

そしてつなぎ合わせた部分がこの写真・・・

 

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同じ無垢材で蝶々を作ったので一目見ただけでは目立たないでしょ?

 

よ~く見ると、蝶々みたいなものが見えませんか?

何度も開閉するため強度も重視して製作しています。

 

このような部分に気を使うのが職人なんです。

はっきり言ってこんな無垢材の接合部分なんか言わなきゃ誰にも伝わらない・・・

今までの職人はこういう細かいところをアピールしないんです

やってあたりまえ』という感じなんでしょうか?

だけど私は伝えます!!

特注品とかオーダー品というのはこういうところにこだわっているのです。

いかがですか?伝わりにくいでしょ

 

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こだわりを持って造った職人とツーショット

 

一緒に写真とるよ』と私が言ってもなかなか写ろうとしない職人・・・

無理やりツーショット写真を撮りました。

使う人の想い・造る人の想いがたくさん詰まっています。

なによりもお客さんに喜んでもらえた事が一番うれしいです。

それはある日の出来事でした・・・

突然一本の電話が事務所に入りました。

どうやらこのHPを見た方からの電話のようで箱の製作をしてほしいとのことでした。

家が事務所に近いという事で早速事務所にて打合せ。

なにやら専門学校の卒業課題で製作する物を入れる小物箱をどこを探してもなかったらしくHPで『木工・箱・家具』などのキーワードで色々検索した結果、弊社にたどり着いていただいたようで。

まだ他の家具屋HPの中に埋もれている我々のHPを探し当ててくれただけでありがたい話で、早速電話までしてくれることにうれしい気持ちになってしましました。

そして打合せしながら材料寸法仕様などを決めていき。

その日のうちに図面を描き、工場に製作指示をだして翌日から製作開始。

卒業課題に負けないような物を製作するつもりで我が社のベテラン職人が燃えていました。

そしてこれが完成品 P1010699

ただの箱に見えますが、お客様の細かいこだわりが詰まった箱です。 

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このサイコロ状の物を中にしまいます。

サイコロ状の物にゴムをつけて印鑑にして収納する小物入れです。

最初は箱だけの依頼だったのですが、同じ材料のサイコロ状のものをこれからホームセンターに探しに行くという事でしたのでついでに造っておきました。

 

本日午前中に学校に行く前に事務所に寄っていただきまして早速確認してもらいました。

品物を見ていただいた時の笑顔がとても印象的でした。

品物には自信があったのですが、やはり直接反応を見るまではドキドキします。

今まで何回経験してもこの瞬間は緊張します。

これまで直接お客さんと接する機会が少なかった私たち。

お客様の反応がダイレクトに感じられる事はこれからのやる気につながる事を改めて実感します。

3月頃に卒業課題としてお披露目になるそうです、私たちも楽しみにしています。

 

このような小さい箱は意外に細かい仕事が多い作業なのです。

職人がちょっとムキになって製作した物なのでこの箱の詳細な説明はまた明日いたします。

『特注家具』で検索!シーズン2

一月が今日で終わり、明日からいよいよ2月がスタートと言う矢先・・・

これは何かの間違えか・・・?と自分の目を疑いたくなる衝撃の事実・・・

 

グーグル検索で『オーダー家具』で検索するとそれまで23ページ目にいた弊社HP・・・

今日確認したらなんと36ページ目に一気にダウン・・・

特注家具』と検索してみては、4ページ目にいた我々のHPがなんと・・・

衝撃の16ページ目急降下・・・

 

これは何かの間違いだと何回も何回も検索してみる私・・・

きっとパソコンの調子が悪いのだろうと『再起動』すること2回

そしてそれは12回ぐらいでしょうか『特注家具』で検索し続けてようやく気づき始めました

これは間違いじゃなくて現実なのか・・・ひょっとしたら夢かもしれない

さらに3回ほど検索して合計15回目の『特注家具』で検索してようやくです

現実を受け止める事にしました・・・

 

検索結果がこんなに後ろのページでは誰の目にも止まらなくなる・・・

 

一体何が原因なのか?

アナログな私にはちっともわからない!

ただどうして4ページ目にいたのかもわからない・・・

ちょっと4ページ目というのは確かに調子に乗っていた所はあります・・・

だけどいきなり12ページダウンというのはさすがにやりすぎでしょ!!

調子に乗っていたのが原因なら明日からちゃんとします

どうか元に戻して下さい

私は褒められて伸びるタイプなのです!

 

これがHP後発組の現実なのか・・・

しかし納得がいかない・・・

本日は工場にて・・・

一月はあっち行ったりこっち行ったりと地味に忙しく工場には久々に登場しました。

今、工場では2月4日に納品予定の家具製作で大忙し状態。

某有名コーヒーショップの店舗什器です。

一店舗分の家具なのでちょっとしたボリュームになります。

その中の一部を紹介します。

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円形のテーブル、小口には無垢材を回しています

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どこかで見たことありませんか?

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まだ未完成ですがカウンターの腰の部分

店舗什器はお店のイメージ雰囲気をつくるとても重要なアイテムなのです。

デザインはもちろんの事、毎日いろんな方が使用するので耐久性にも注意しなければなりません。

その為に変形した形や、複雑な造りになっているので図面を読み解くのは本当に苦労します。

あまりに複雑すぎると・・・

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図面と格闘している様子

このようにフリーズします。

 

全国規模で展開している店舗の仕事は出店する地域などで製作する家具屋が異なります。

ようは似たような家具を他の家具屋でも製作しているということです。

なので『どこの家具が良かった』とか『あそこの家具は出来が悪い』と比較されやすいのです。

出来が悪いと次からは注文来ないですからね・・・

現場に綺麗に納まるまで緊張の日々が続くのです。

おかげさまで、北は新潟から南は大阪まで幅広くメイドイン森下の家具を納めさせていただきました。そ~いえばこの前、森下製品が海を渡って行きました。(カムサハムニダ!)

遠方のお店までがメイドイン森下を使用しています。

 

職人が良く使う言葉です・・・

俺に名刺なんかいらねぇ!俺が造った家具が名刺代わりなんだよ!

昭和の職人魂あふれるお言葉です。

大した自信です!

 

そこまでいうならお任せます!

明後日は家具の状況をお客様が直接確認したいということで

わざわざ製作途中の什器をチェックしに姉崎工場まで来ます。

はたして名刺の評価はどうでしょうかねぇ?!

『tobi』の勉強会

今日は午後から『tobi』の専門委員会があります。

経産省の助成事業なので、年度毎に方向性やブランドの在り方について参加者で話し合います。

昨年は家具を製作する時間よりもこっちの会議の時間のほうが長かった・・・

勉強会を開いたり・・・反省会を開いたりと・・・

 

その勉強会でなるほどなぁ~という事を言われた。

それは京都ジャパンブランドのプロデュースをしている方の勉強会だった。

日本の職人は、技術を売りたがる。しかし世界のバイヤーは技術ではなく品物を買う

技術自慢なら展示会に出せばいい、売りたいなら消費者が必要としているものを造ること・・・

言われてみれば当然のことだなぁと思う。

さらに、『デザインや技術を競うのではなく、お客が何を求めているかを考える

ともいわれた・・・職人は技術を売りたがるのだそうだ。

痛いところを突く発言・・・

 

他のプロジェクトで職人の技術が詰まった醤油入れを海外の展示会に持って行ったそうです。

・・・ヨーロッパの人が醤油をあまり使わないのに。

 

職人が集まると結局そういうことになる。

今までの製造メーカーは本当に製品を作るだけだという。お客様がどのような物を必要としているのかをリサーチする。

そして売り方を考えるのではなく、使い方を提案することに意味があるそうです。

 

理屈はわかった!!じゃぁ何したらいいんだ!!

『子曰く、吾三十にして立つ』

まだ間に合う・・・