特注家具・オーダー家具の株式会社森下 ~ 船堀の家具屋ブログ ~

オーダー家具・特注家具の株式会社森下 〜 社長ブログ 〜

オーダー家具の話

二月の『降雪日数』VS『更新日数』

朝起きて外をみてビックリする。雪が降っているではありませんか!

どうやら、2月の雪はこれで9日間だそうで2日に1回のペースで雪が降っているんだそうで・・・

 

子供のころは雪が降る度にキャッキャ騒いでいた記憶があります。

しかし、大人になり雪が降る度に『車走れるか?』や『電車止まってないか?』など

心配事が多くなってくる。

 

実際に、前回雪が降った時レインボーブリッジが封鎖されていて通行できなくなっていた!

『踊る大捜査線2』という映画で散々レインボーブリッジを封鎖しようと織田裕二が頑張っていたが

結局、『レインボーブリッジ封鎖できません!!』と織田裕二が叫ぶ名シーンが印象深い。

 

しかし、雪が降れば一発で封鎖完了です。

『レインボーブリッジ通行止めです』と車内に響くラジオの声・・・

東京の交通機関の貧弱な事・・・

 

 

家具屋 なので 家具 の話をします。

このような雪が降るぐらい寒い時期は家具製作にもいろいろ問題が発生するのです。

 

まずフラッシュパネルを製作する時に白ボンドがなかなか乾かないんです。

夏場にはちょっと容器の蓋が開いているだけでカチカチになってしまう白ボンドですが

こんな寒い時期は乾きづらく、いつもよりプレスする時間がかかってしまいます。

 

そしてもう一つの問題が塗装です。

これも夏場は乾きが早いのですが、この時期梅雨の時期になるとなかなか乾きづらい!

特に染色系の塗装よりツブシの塗装はまぁ~時間がかかります

なので少しでも早く乾かす為に塗装場ではストーブ等で部屋を暖めているのです。

それでもやはり通常より時間がかかってしまう・・・

 

店舗什器 や オフィス家具 はとにかく納品までの時間が少ない

しかもそれらの家具は構造や形状が複雑でただでさえ製作日数がかかってしまう・・・

そのうえで製作工程がいつもより時間がとられてしまう為、

出荷間近になると自然と工場はドタバタとしてしまうのです。

今日もレストラン什器が出荷の予定・・・工場は相変わらずドタバタ状態です。

住宅関連のお仕事はすっかり手薄になってしまったのに、店舗什器やオフィス什器は

相変わらず忙しいようだ!有難い事です。

 

 

話が変わるが・・・

二月の雪が二日に一回のペースで降っている』のにどうしたものか?

大正14年創業の家具職人ブログ』の更新日数より2月の降雪日数の方が多いというのは

一体どういうことだ・・・?

魔物が棲む場所・・・

現場には魔物が棲んでいると勝手に思い込んでいる私・・・

今までも何回もその魔物にキバを剥かれていました。

 

数え上げればきりがないほどに・・・

何度も現場で打合せしても、実際に取付の段階になると全く変わっていることも・・・

本当に現場納まりには気を使います。

 

家具屋として一番情けない失敗があります。

日頃嫌な事は封印する癖があるのですが、記憶にかすかに残っています。

それは、製作したものが現場に入らなかった時・・・そんな時はめまいがしてきます。

当然打合せしてきた私の責任になるのですが・・・立ち直るまでに時間がかかりました。

なんも専務からは怒鳴られるし・・・現場は納まらないしで右往左往です。

 

そんなこんなで色々起こるのが現場・・・

現場打合せはしっかりしなければと思うばかりです。

 

しかし、現場は魔物ばかりが棲んでいる訳ではありません。

現場に納まった家具を見るのは非常に達成感に溢れる瞬間の一つでもあります。

さらに、お客様の反応が直に感じらる時はそれはまた最高の瞬間であります。

最高の瞬間ではありますが、かなり緊張の瞬間でもあります。

お客さんに確認してもらうまでのドキドキ感は何回経験しても慣れません・・・

 

そのような貴重な瞬間を体験できないのはもったいないということで

弊社では製作に携わった職人を現場に取付させるようにしています。

あまりに取付する数が多い場合は取付大工を頼む事もありますが

基本的にはすべて自社の職人が取付けるというのが決まりです。

 

これは『なんも専務』のこだわりみたいなところもありまして・・・

実際に製作した職人が現場で取付けると、現場でどのようなところで苦労するかがわかり

家具製作にも役に立つのだと『なんも専務』は申しております。

相手の気持ちになって考える』・・・なんとも見上げた心構えです。

 

今日もこれから現場です。

今日の現場には魔物が棲んでいませんようにと祈るばかりでございます。

東京都家具工業組合・・・職人ブログリンク集

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クリックしてみて!

このたび東京家具工業組合のHPに職人ブログリンク集が開設された。

職人ブログのリンク集だけど私はとくに職人ではありませんが・・・。

そしてそのバナー写真に、なっなんと!!『なんも専務』の作業写真が採用されています。

セピア色に染まった写真がまたなんとも言えず雰囲気を出している。

 

突然ですが、なぜこのブログを始めようかと思ったのかというと、

『特注家具の事』・『どんな人間が働いているのか』・『どんな環境で家具を製作しているのか』

などなど特注家具屋の存在を世間に広くアピールしたいと思ったからであります!

そのために様々な情報をバシバシ発信しようと思い、このブログを始めたのであります。

 

 ブログを毎日更新するようになり常日頃から

『どんな記事を書こうか』・『どんな事を知ってもらいたいか』・『自分たちがどんな事を考えているか』

というような事を意識し始めるようになりました。

そうすると、なんでもないような事にも気づくようになり、

ブログなどにとても載せるような内容でない物もありますが

そのまま気づかなければ普段なら気づかないような出来事が目につくようになりました。

 

サラリーマン時代によく上司から言われた事を思い出す・・・『気づくことの大切さ

 

意外とそういう所に『こだわり』だったり『家具屋の矜持』みたいなものが

眠っているのではないか?!と思いながら毎日を過ごしています。 (仕事しながら)

せっかく、このように広くいろんな方の目に止まるような機会を与えていただいたので

物語のある家具つくりの為に、その背景を少しでも世間にアピールすることができればなぁと思っています。

 

戸Bさんありがとうございます。

これからはなるべく家具の事を書くようにします。

なるべく・・・ 

 

 

『日信装備㈱』へ会社訪問

昨日は打合せと称して日信装備さんの会社へ行ってきました。

本当はPM2:00に伺う予定でしたが、Z間さんからのお昼に『うまいラーメンを食べよう』というお言葉に急遽12:00に伺うことに・・・

いやぁ~海老ワンタンラーメン(大盛)+チャーシュー丼おいしかったです。

Z間さんごちそうさまでした。

なんも専務がここぞとばかりに言いたいこと言っていたのが気になりましたが・・・

 

ラーメンを御馳走になり、会社に戻ってから工場を案内してもらいました。

整理されていてとてもきれいな工場でした。

その工場を見るだけで、レベルが高い家具を造っているのだぁと思いました。

いつも自分の会社でも『綺麗な品物は散らかってる工場からは生まれない!』

と口うるさく言っています。整理整頓・・・当たり前のようでなかなかできない事です。

職人さんも色々忙しそうでしたので、工場を一通り見学させていただきそして倉庫へ・・・

 

 

この倉庫に今まで見たことがないような光景が・・・

 

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倉庫に眠る秘蔵の宝の山の一部

 

突板が大量にあったのです。これはすごい!!

目を奪われました・・・しかも今では珍しい種類まで。こんなに貴重な材料を持っている家具屋は見たことがありません!!

非常に珍しく、今では高価な物ばかりなのです。

 

Z間さん曰く

昔の特注家具業界は、どれだけ木目が綺麗な材料を持っているかで仕事が決まっていたそうなんです。

だからいかに綺麗な木目の突板を仕入れるかがポイントになったそうです。

当時の工場長などは色々仕入れに努力されていたそうです。

・・・物語を感じます。

打合せに行く時はその突板を持参して、設計士やデザイナーがそれを見て『この部分はここに使って!』『ここの部分はそこに使って』などと木目を見て使用する場所を決めていたそうです。

それだけ材料品質にこだわりをもっていた時代があったのです。特注家具の奥の深さを感じます。

それが今じゃ価格・価格・価格・・・

 

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日信装備ブログの定番!!アップ写真

 そしてこれは以前展示会で出展されたテーブルの一部の写真、ここにも職人のこだわりが・・・

そのこだわりについては日信装備のブログで近日紹介されると思いますので乞うご期待!!

 

・・・自分の会社のアピールしなくていいものか?

家具職人が造る『印鑑収納箱』

昨日このブログでお話しした、HPがきっかけで製作することになりました

印鑑収納箱をこんな風に造りましたという話。

 

 

30角のサイコロ状の無垢材にゴムをつけて印鑑をつくります。

その印鑑を収納する小箱。

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箱の大きさは持ち運びができるようにコンパクトサイズ

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箱の中身はこんな感じで収まります

 

メラミン化粧板などで製作すれば簡単な箱ですが

ナチュラルな感じを出したい』という事で今回はタモ突板と無垢材を使用して製作。

 

ここでこだわりのポイントがあります。

無垢材の接合部分ですが、見た目がキレイという事で小口をトメで接合することになりました。

 

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斜めにカットして接合することをトメと言います

 

そしてトメを接合するには色々な接合方法があります。製作する職人によってやり方は様々です。

今回は、『留形千切接ぎ』という難しい名前のやり方・・・

名前は難しいですが考え方はすごくシンプル

 

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無垢材にこのような穴開け加工をして

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このような蝶々みたいなもので接合するのです

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 このような形で組み立てます

 

通常はこのプラスチックでできた蝶々みたいなものを使用するのですが

今回は職人からの提案で蝶々が目立たないようにしようと手作りしました。

 

そしてつなぎ合わせた部分がこの写真・・・

 

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同じ無垢材で蝶々を作ったので一目見ただけでは目立たないでしょ?

 

よ~く見ると、蝶々みたいなものが見えませんか?

何度も開閉するため強度も重視して製作しています。

 

このような部分に気を使うのが職人なんです。

はっきり言ってこんな無垢材の接合部分なんか言わなきゃ誰にも伝わらない・・・

今までの職人はこういう細かいところをアピールしないんです

やってあたりまえ』という感じなんでしょうか?

だけど私は伝えます!!

特注品とかオーダー品というのはこういうところにこだわっているのです。

いかがですか?伝わりにくいでしょ

 

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こだわりを持って造った職人とツーショット

 

一緒に写真とるよ』と私が言ってもなかなか写ろうとしない職人・・・

無理やりツーショット写真を撮りました。

使う人の想い・造る人の想いがたくさん詰まっています。

なによりもお客さんに喜んでもらえた事が一番うれしいです。