特注家具・オーダー家具の株式会社森下 ~ 船堀の家具屋ブログ ~

オーダー家具・特注家具の株式会社森下 〜 社長ブログ 〜

オーダー家具の話

無垢材のカウンター

本日は無垢材のカウンターについてのお話です。

無垢材の家具は非常に難しく、材料選びから始まります。

材木屋に希望の寸法を伝えて、材料が見つかれば船堀から新木場までは近いので実際に見に行って確認するというわけです。

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サペリという材料、さすが新木場!材料がそろっています。

P1010394 厚み・巾・長さと測って使用できるか判断します

かなり長いカウンターだったので、同じ樹種でしかも木目を合わせる為に同じ木で採れた材木でなければならず、さらには寸法も決まっていたので長い材料でなければならないとかなり厳しい条件でした。

発見した時はラッキーという言葉しかありませんでした、さすが新木場ネットワーク!!すっ飛んで新木場まで行って自分で確認。

材料を自分で確認した後は、お客様にも実際に実物や写真で確認してもらうことにしています。

 

なぜならば・・・

無垢材は自然の材料なので当然いい場所もあれば悪い場所もあります。(良いか悪いかは見る人が判断するので難しいところです。)

ちょっと前までは悪いとされてきた部分でも最近ではそれも個性の一つとかいってそのまま使用するケースもあります。その判断はお客様次第、好みで分かれてしまいます

天然木突板などを使用する時も同じです。実際に使用する材料は見てもらった方がお客様も安心すると思います。

特に今回は変形カウンターだったので現場に何回も寸法や型を取り、そこから製作をスタートします。

あーでもない・こーでもないと繰り返しながら材料を加工してはまた現場に行ってみたりとそれはそれは時間のかかる作業でした。塗装工程も考えるとやっぱり製作に時間が無い!と難題続きでしたが・・・

いろいろあった結果、納まったカウンターがこれ!!

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なかなかの迫力になりました。

ストレートのカウンターなら取付も時間がかからないのですが、

このカウンターは角度がつく部分が二か所!そして長さが8メートル以上強敵です!

現場でのジョイント作業には苦労しました・・・

木場にあった材料からこのカウンターになるまでを考えると感慨深くなってしまします。

完成したものを見るのはやっぱりいいもんです。

 

やっぱりオーダーした家具というものは、お客様にも製作の過程などを見てもらい、その家具の事をよくわかってもらえれば、自然と家具に対する愛着も出てくるのかなぁと思います。

『どうやってこの材料に決まったのか』

 『どのような加工がされているのか』

『どんなふうに取付けられているのか』

オーダー家具の付加価値とはそこに眠っているのかも!!

しかし押し付けては決してならない・・・でも積極的に伝えていかなければならない!

 

まためんどくさい話になりそうなのでこの話はまた今度・・・

船堀のパワースポット『居酒屋おとみ』

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ここは江戸川区船堀にある隠れた名店『居酒屋おとみ』というお店です。やきとり屋さんです。

事務所から歩いてすぐの所にあるのですが、仕事が終わると弊社のなんも専務は9割ぐらいの確率で出没します。

どんなに疲れていてもここに来ると自然と癒されてしまう不思議な感じ、私にとってはいわゆるひとつの“パワースポット”的なお店です。

なぜ今回、『おとみ』を紹介するかと言いますと上の写真に出ているカウンターテーブルとメニューが貼ってある白い幕板がなんと20年ぐらえ前の森下製品だとお店のママさんに聞いたからです。

 カウンターはまだまだ現役で活躍しています。そんな昔に製作した自社製品に出会う機会なんてそうそうないし、こんな身近にあったなんて聞いた時はビックリでした。

最近は、テーブル天板と踏み台を製作しましたが、なかなかいい感じでこのお店の家具が森下製に統一されています。

ある日の会話

私が『そろそろカウンターも交換の時期ですかね~』なんて言ったら

ママさんに『丈夫にできているからまだまだ平気!』と言われました。

昔の職人もやりやがる!こんなに丈夫に作ってしまったら仕事がなくなるではないかと思った瞬間でした。

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このお店のマスターと看板娘のユイ嬢・・・親子です

この二人は本当に親子なんですが、マスターはお客さんに「娘さんに見えない、奥さんかと思いましたよ~マスター若いですね~」と言われるとニヤニヤしています。

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 マスターとユイ嬢とコッペさん、二人揃うともう止まりません

このお店は本当に人がよく集まるお店です、お客さんもかなりの個性派揃いで相当楽しく、気がつくといつも終電ギリギリになってしまう魔性の店です。

特におとみの裏メニューは大好きです!(裏メニューはまた別の機会に紹介します)

O・T・M万歳!!

新木場の港

あるお店の無垢カウンター製作の為、新木場に訪れた時の話です。

木材屋さんの中に入って材料を確認していた時、ふと前を見るとすぐそこは広い港でした。

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別に船着場でもないのになぜ?と聞いてみると

ここはその昔は木材でイカダを作り灰汁を抜く為にこの港に浮かべていたそうです。

しかもこの港が埋め尽くされる程に・・・

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そのオヤジは昔を懐かしむように話していました・・・

今では伐採された木材はほとんど機械で加工され出荷されるそうです。

技術の進歩はありがたいこと、実際に伐採されてから製材になるまでの時間は短くなったでしょう。

おかげで我々家具屋も材料発注から納品までが短い為何度も助けられてはいます。

 

ただ一度でいいから見てみたかった、この港がイカダで埋め尽くされている風景を・・・