特注家具・オーダー家具の株式会社森下 ~ 船堀の家具屋ブログ ~

オーダー家具・特注家具の株式会社森下 〜 社長ブログ 〜

オーダー家具の話

拝啓!情熱大陸様 『巨匠・宮本茂紀さん』・・・本物の仕事とは何か!?

今回も先日お邪魔したミネルバの宮本さんのお話です。

  

バーズアイメープル無垢材で出来た車のハンドルと宮本さん

 

宮本さん曰く、「自分の仕事に枠を作ってはいけない

そして、「家具にこだわっていない、出来る事は何でもやる!」と・・・

相変わらず重みのある一撃です!

 

世間では一般的にこのように言われている・・・

「無垢材を使用しなければ本物の家具ではない!」

「塗装は漆塗りが本物だよ!」

「自然の素材を使用してないのは、偽物だ!」

このような概念が大勢だという。

 

しかし、宮本さんはそのような考え方違和感を覚えていたという。

「突板を使用しているから偽物なのか?」

「化学繊維を使用したら偽物なのか?」

「金属製品は自然の物ではないから偽物なのか?」

 

この世の中は自然から出来ているのもで溢れている!

人間が作り出した素材でも、原料は地球から採れる物なのだ!

だから、「天然素材を使用した物が本物だ!」という発想は意味が無い!

そして、「何よりもそのような発想では新たな素材との出会いの機会を失ってしまう」

と教えられました・・・

 

邪道も一度通ってしまえば正道になる

さらに衝撃のお言葉であります!

宮本さんにとって「邪道」とは「可能性」・「新しい事」だと言っていました。

車の座椅子も製作

JRの寝台車両も製作

 

これらの製作に携わることで新たな技術を発見したという。

 

過去に敬意を表し、未来を積極的に受け入れる

これまた衝撃の一発です!

能の世界にも「守・破・離」という言葉があります。

伝統を守り、独自の個性を出し、そして新たな道を切り開く(意味あってるかな?)

 

新しい素材や技術を積極的に受け入れる事の大切さ!

可能性が広がり、新しい事が生まれるきっかけになる。

しかし、受入れる人間は基本的な技術を身につけて無ければならない!

過去に敬意を表すとはそういう事なんだろう(と自分で解釈してみる)

 

この木箱が三つ並び、中にはこれまでの技術の結晶が詰まっています

縫い方のサンプルこれは素晴らしい!

 

バーズアイメープル製のハンドルを手に取り、欲しそうに見ているなんも専務

お前にはまだ早い!

そんなに見てもダメです!「おあずけ!」

 

現役バリバリの宮本さんが挑戦を繰り返している!

我々も積極的に未来を受け入れよう!

・・・その前に過去に敬意を表す事を忘れてはいけない!

 

 

  

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拝啓!情熱大陸様 『巨匠・宮本茂紀さん』・・・素材に対する感覚

本日は久しぶりにミネルバ宮本茂紀さんの工場を訪ねた時のお話です。

 

宮本さんは「ボスコ」という椅子をおよそ40年前から製作し続けています。

 「ボスコ」とはイタリア語で「」という意味だそうです。

おぉ~じゃあ!我が社の名前もイタリア語にすると『ボスコ下』になるなぁ~

そして同じデザインでありながら使用する樹木を変えている!

木の表情をシンプルに表現したデザイン!その数、なんと00種類以上

その並べられた椅子を見ると圧巻です!

今までに200種類以上、計算すると3カ月に1脚のペースで製作しているという。

 

ボスコを目の前に話をする宮本さん

これでも一部のボスコ

これが!ボスコ

これも!ボスコ

あれも!ボスコ

それも!ボスコ

 

様々な樹木で製作する・・・

宮本さん曰く

「今まで多くの種類の材料で製作してきたけど、それぞれの樹木に物語がある

木目は当然、肌触り香りは種類によって全て異なる・・・

物語のある材料を使用するのだから製作するものにも物語を造らなければならない!

 

毎度のことながら、心に染みわたります・・・さらにこう続きます。

素材に対する感覚・想いというのは日本人特有のもの西洋人は木目を意識しない

だから自分はその感覚を大切にしたいと思う

 

出ました!本日の名言!!

 

 

ジャパンブランド「tobi」のイベントでIFFT国際家具見本市に出店した時の出来事

ある方がアメリカの椅子職人という方を連れてこられた

そのアメリカ人の椅子職人はどの家具も木目がそろっている事に非常に驚いていた!

我々にしてみれば木目を合せることは当然と思っていたが

やはり西洋の人から見れば驚きの事なのだろう・・・

 

木目がそろっている方が美しいと思う!

というより木目は揃えるものだと思っていた・・・

素材に対する感覚・想いというものが私にもあるのだろうか?

もしあるならば、私もその感覚想いを大切にしたいと思う。

 

ちなみに・・・

ボスコの背もたれの部分の長さは宮本さんの背の長さにあわせてあるそうです

 

それと・・・

5月21日より新国立美術館で『森から始まるリレートーク』という講演会があります

宮本さんも参加されるそうです

そのメンバーの豪華さにも驚きますが・・・なんと講演会期間中ボスコも展示されるとか!

これは一度見た方が良いですよ!

詳細はこちら

  

 

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拝啓!情熱大陸様 『巨匠・宮本茂紀さん』・・・図面が無い作業

今日は、先日ミネルバの宮本さんを訪ねた時のお話。

 

今回は奈良遷都1300年記念の行事に使用されるという

宮内庁所有馬車を修繕する仕事を見学させていただきました。

宮内庁には約20台程の馬車がありますが実際に使用しているのは10台程・・・

定期的に修理されているのだと言います。

 

見たこともない馬車が目の前に

 

この馬車は国賓級専用の馬車として造られたものだという。

この修理は5年に一回、40年に一度行うという。

出ました!十六弁八重表菊紋

内装も美しく

扉の丁番も見たこと無い・・・

 

この時にしていた作業は、馬車の外部の下地張りをしていました。

職人さんがしている作業を見ているとものすごく手際よく進めている

 

 

貴重な品物にキズが付かないように毛布で養生している

麻の生地を下地として張ります

麻の糸で縫います

 

ここで気になったのが、職人の方が何も見ないで作業しているように見えたのだ・・・

通常、家具製作時には当然図面や参考資料等があると思っていましたが

この修繕作業には図面が見当たらないのだ・・・

 

職人さんに聞いてみた、「どんな図面を見て作業しているんですか?」

すると「図面?そんなものないよ!」というではありませんか・・・

おぉ~さすが職人だ!

 

話をさらに聞いてみる

私:「どうやって図面無しで作業が進められるんですか?」

職人:「実物を分解・解体する時によく確認しながら作業して、一応写真も撮っておく」

私:「図面無いんですか?」

職人:「あぁ~この馬車を造った時はあったんじゃない?」

なんとも粋な回答が返ってくるではありませんか・・・

 

馬車を解体・分解している時に、全てを頭の中に取り込んでイメージしているのだろう!

そして、確認したい所は写真を撮ってあるそうなので不明点は全てそれを見て

再度、頭の中のイメージを確定させているという。

 

簡単なようで非常に難しいその頭の中で完成形をイメージする。

我々もよく家具のリフォームをしますがやはり図面が無い事があります。

特に他の家具屋で製作した家具等はどのように製作したかわかりません

当然図面も無い・・・

しかし家具のリフォームは何となく構造はイメージできるが馬車となると・・・

 

職人技だけでは通用しない世界!

「これをやったらどうなる?」等の想像力創造力が備わっていなければ職人にはなれない・・・

奥が深い世界です。

 

 

  

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拝啓!情熱大陸様 『巨匠・宮本茂紀さん』・・・組手は東洋の文化

本日のお話は先日お邪魔した巨匠・宮本茂紀さんの工房へお邪魔した時のお話し。

 

家具には様々な技術がある。

その中でも無垢材を使用するときには無垢材と無垢材のジョイント方法がある。

それが組手である。

椅子の組立に使用される組手加工 

椅子のこのような接合部分に組手が活躍します

 

この組手には本当に様々な種類があります。 

組手について話をする宮本さん

 

宮本さんの話によると・・・

西洋の組手の原点は東洋の組手にあるという

また東洋の組手は組上がった時に格好が良いというのだ!

それに気づいたのは、色の違う材料を組んだ時にわかったという・・・

様々な組手のサンプル

 

これまで宮本さんは様々な組手を研究されて、数多くのサンプルを実際に製作されています。

組手のデザインもされていたそうです。

 

そして、これが組手の技を集約して出来た椅子の製作サンプル。

これまで何台か製作して実際に販売もされていたそうです。

しかし、この組手の数々・・・一度でも分解されたら復元するのは至難の業だろう

 

 

様々な組手技術が結集された組立椅子

 

 

脚の組手も数種類から構成されている

 

 

ここからは数ある組手サンプルの中からこれはすごいと思ったものを

写真で取りましたのでとくとご覧ください。

 

三方留め

分解するとこのような加工が・・・

 

 

引っ張っても動かない組手

まさかの横にスライドさせる組手

 

 

引いてもスライドさせても動かない組手

赤いクザビを抜いて分解する

 

家具屋にも様々な種類がある。

我々のような収納棚等を中心とした箱物家具屋としては無垢材を全面に押し出して

使用する機会は少なくなってきている。

ある程度はこんな組み方があるというのは知ってはいたが

この時、目の前に出てきた組手はどれもがお初にお目にかかるものばかり・・・

モノによっては外し方がわからず戸惑う私・・・

 

そこへなんも専務登場!

なんも専務は宮大工の見習いを8年間していたのでこの組手については

ちょっと知識があるようで分解しようともたついている私をみて

ここはこうするんだよ~』と自慢げに組手について語りかけてきました・・・

そーゆー自慢は要りませんから!!

めんどくさい奴です!!

 

組手の基本は東洋の組手にある・・・

そう言われると組手に興味が出てきます。

  

 

  

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岩倉栄利さんが語る「眠れる獅子・中国」

先日「tobi」の家具展示の為、ロックストーンショールーム見学した時のお話。

 

 

普段の会議等ではバチバチと火花を散らすかの如く繰り広げられる・・・

そんな時、岩倉さんはこう言った!

「もう少し笑顔でみんなと会話しながらやっていきたい」と・・・

「tobiの家具を前にしながら酒を飲む!」そんな事がしたいよねと。

 

そして先日ロックストーンの見学に行った時、岩倉さん自らがそういう場を用意してくれた。

岩倉さんとZ間さんはお茶で乾杯!

私はというと・・・ビール⇒ワイン⇒泡盛(ロック)と調子に乗って飲んでいました。

 

そんなボ~ッとした頭を一気に正気に戻すような話を岩倉さんはしてくれた。

それは中国のモノづくりの技術についての話です。

岩倉さんは「日本人は中国に対して間違った認識を持っている!」という。

 

確かに中国はビジネスマナーが悪いと世界中から評判は良くない!

納期は守らない。寸法はでたらめ。あー言えばこー言う・・・

 

日本でも中国製と聞くだけでちょっと敬遠してしまう。

中国製品は安物で品質が悪いというイメージが定着している。

安い物=中国製品

中国製品=低品質

というイメージがどうしても頭から離れない・・・

 

しかしそれは中国のごく一部しか見えていないというのだ。

日本のバイヤー安物を求めて中国に行くから日本には安物の中国製品しかないらしい

世界のバイヤー中国にあらゆるものを求めているから最高クラスの品質も揃うという。

岩倉榮利氏、曰く

「品質に関して言えば、今の中国は最上級クラスから安物の低品質まで

ありとあらゆる品質がそろっている。」と

つまり、「中国は、最高品質の製品も製作可能」だというのだ!

 

それは困る!

 

品質技術こそが日本のモノ作りの最後の砦ではないか・・・

というかその考え自体がもう古いのかも知れない。

中国でなんでも揃うのでは日本はどうする?

日本の技術の存在価値は・・・

 

眠れる獅子がついに本気を出してきたのか・・・!

中国はもはやアメリカに並ぶほどの世界の経済大国である!

しかし、当の本人たちは中国はまだ発展途上国だと言っている・・・

どこまで発展する気なのだろうか?

このままでは日本の産業は衰退の一途を辿るしかない・・・

 

中国には13億以上の人口がいる。富豪と呼ばれる人は1割程度いるらしい

1割と言っても1憶3千万人・・・日本の人口だ!

もはや眠れる獅子どころではない世界の中心で雄たけびをあげている

やはりこれからは中国と仲良くしなければいけない。

中国が世界の中心になることは間違いないだろう

なんとか活路を見出さなければ・・・

  

  

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