経年変化を楽しむ家具
先日の国立新美術館で開催された「森から始まるリレートーク」という講演会で
前回このブログの「さらば!分業の時代!」でも書きましたが
「トータルなモノ作りの仕組みづくり」という話をされた
武蔵野美術大学の教授でいらっしゃる島崎信さんのお話です。
島崎さんと言う方は、それまで私は全く知らなかったのですが
やはりその世界では重鎮であります。
「tobi」のデザイナー岩倉榮利さんもしばらく島崎信さんにお世話になっていたとか・・・
そんな島崎さん、新潟で間伐材を使用した家具をデザインされた事があるようです。
テーマは「子供と成長する家具」みたいなことを言ってました。
つまり、学習デスクを一台購入すれば子供の成長と共にサイズが変えられるという事です。
素晴らしい~テーマです。
「トータルでモノ作りの仕組み」を考える島崎さんは販売ルートにも関わる事になったそうです。
・・・というか、話を聞いていると関わらざるを得なかった
という風に私には聞こえました。
というのも、この間伐材を使用した家具は販売会社に嫌がられたそうです・・・
理由は、時間が経過するにつれて変化する製品は嫌がられるそうです。
「アースファニチャー」は木が呼吸する為に、植物性のオイルで仕上げているそうです。
良く言えば、使い込めば使い込むほど家具にツヤが出てきます。
つまり悪く言えば、時間が経つと変化してしまう商品なのです!
そのような商品はどこも置いてくれなかったそうです。
販売会社は、「不変の商品」しか扱わないという事です!
これも、分業の時代ならではの事ですね・・・
販売会社は販売の部分でしか判断しない為、このような判断になるのだろうと思います。
しかし、私が当時の販売会社の立場になって考えると至極当然の判断なのかもしれない・・・
誰が悪いわけではないのだけれども・・・
そんな時、島崎さんが取った行動とは・・・!
流通・販売会社をはぶいて、消費者に直接販売をする方法だったそうです。
通信販売を利用したりと苦労は絶えなかったと振り返っていました。
そんな一連の話をしている島崎信さんが言っていた事!
「家具や椅子は年月が過ぎると、新品では出ない美しさが出てくる」という
木材は、伐採してから60~120年ぐらいがMAXの状態なんだとか・・・
新品の時には新品の時の良さがあり
年月が経つと木の変化によりさらに美しくなるという!
しかも、一緒に年月を過ごす家具には思い出が出てきます!
これが愛着ですね!
愛着を持てる家具が永く使える家具なのだと思います。
車はある程度走った方がエンジンの調子が良いと聞いた事があります。
そして、車には運転する人の癖が出てきますよね、
家具にも同じような事があると思うんです。
使う人と共に変化・成長していく家具
経年変化を楽しむ事が出来る家具
とはなんとも素晴らしい家具では無いですか!
我々もそのような家具を世の中に出していきたいと思います。
私の愛車オ―パ!
愛車のオ―パも私が学生時代から過ごしている車です・・・
今でははっきり言ってオンボロ車です。
最近、巷をプリウスが走行していると羨ましく思えてくるほどです・・・
しかし、たくさんの思い出がありますね~
なんせ学生時代から乗っていますから・・・
まだまだ乗れると思うと、管理もしっかりしていくようになります。
これが愛着と言うやつでしょうか?
一日ワンクリック!!!