tobiフランス展示会特別企画・・・ 『職人というのは?』②
昨日の「職人とは?パート①」に関連して本日も職人とはについての話
宮本茂紀さん、曰く
「職人の仕事とは今の精度を求めるものではない、木の将来の姿をイメージする事が大切」
これもまた、おぉ~なるほど!と思う言葉です
んっ!どういうことだ?と思われた方に簡単に説明します。
以前、このブログでも紹介しましたが「組手」というのは木と木をジョイントする技術の事です
木を削り出しそれぞれを組合せる為、寸法をぴったり合わせないとうまく噛合わない・・・
たとえばこんな感じの物
そもそもこの組手を製作すること自体、相当な寸法や角度の精度が必要な技術なのです
宮本さんはそんなことは百も承知のはずです(だって作っているんだから!)
精度を出す技術・・・それはあって当然の技術!
「木の将来の姿をイメージして組手を考える」ということは
「木」というのは時間が経過するに従い変化していくものなのです
無垢材は反りや曲がりなどはつきものなのです
(「板」という字は「木」が「反る」と書くぐらい変化するのです)
その将来の木の変化を予測して組手を加工するらしいのです
もっと言えば、その木の変化によって「組手」がさらに締まるように考えられているというのです。
昔の人は本当に素晴らしい技術を開発したもんだと感心する・・・
私なんか、自分の将来の姿さえ予測できないのに、木の将来の姿などわかるはずもない・・・
今時は激安家具が大流行しているせいか、
「汚くなったら買い換えよう」
「時間が経って古い家具は捨ててしまおう」
「修理するより、買った方が安い」
という考え方が普通になって来ている。
しかし、この「組手」という技術一つとっても「時間が経過するほど締まってくる」など
「時間が経過すればするほど家具としての価値が上がってくる」
そのような仕事をするのが職人なんだ!
と言っているように私には聞こえた・・・
家具を使う人に対して物を大切にする気持ちを家具を通して伝える事ができるのが職人でもある
これはなかなか分解できませんでした
まずはこれをはずして・・・ってどうやって?
一個外れると両方外れる・・・ってどうやって?
私は家具職人ではないので、その想いをお客様に伝える事に少しでも役に立てれば良いと思った。
職人と言うのはただでさえ無口なイメージがある、
家具を見ただけではなかなか伝わりづらい職人の想いを積極的に私が伝えていこう!
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