進め!電波少年!「用の美」
その昔、「進め!電波少年」と言う番組があった
数々の伝説を残した番組であります。
その中で、松村邦洋がアポ無しで高名な陶芸家の展示会に現れた!
松村の手にはご飯入りの炊飯ジャーにシャモジというスタイルで
「高価な器でご飯が食べたい!」といっていた事がありました。
その番組はアポ無しで毎回ロケをする為、失敗する事が多々ありましたが
その時の陶芸家はすごい!
あれよあれよと言う間に松村は周囲の心配そうな視線を浴びながら
相当高価な器でご飯を食べているではないか・・・
その時、その陶芸家は
「陶器は飾って楽しむものではない、用の美である」
みたいな事を言っていました。(もう昔の事なのではっきり覚えていないが)
「用の美」なんともわかりやすいようで難しい言葉である
「用」と言うのは、おそらく実際に使ってみるという意味か?
「美」というのは、見た目に美しい・・・まぁ~そのまんまの意味でしょうか?
あまり深い意味はわかりませんが、
私が勝手に解釈するとこうなります・・・
「器とは本来、中に何か物を入れて使用する物なんだから飾って楽しむ物では無いよ」
「実際に使用して本来の役割を果たす上での美しさを追求する」
という感じでしょうか?
家具屋なので家具の話をします
家具は正に使用目的がはっきりしている場合が多い
しかも人の生活に密接に関わり合っているものです
よく耳にするのは「機能美」というフレーズである。
用の美とは機能美とはまた違うのでしょう・・・たぶん
機能美とは使いやすさ・便利さと言うようにシステムのお話しであって
用の美とは、家具としての本来の目的がありながら
その造形や木目が美しいという事なんだろうか・・・
我々家具屋は陶芸家のような芸術家ではないので
基本的に飾って楽しむというような飾り物を製作しているのではない。
(飾り棚は作るけどね)
実際に使用して便利だと思う品物を製作するのだからどちらかと言うと
「機能美」を追求しなければいけないのかなぁと思ってみる・・・
「機能美」を追求したうえで「用の美」いわゆる「使用しているときに美しく見えるように」を
意識しながら家具を製作すればもっと良くなるのでしょうか・・・?
イヤハヤ・・・私には難しすぎるテーマです。
以前、インテリア国際見本市に行った時に様々な展示品を見て周りましたが
家具や椅子、ハサミや包丁などの日常に使用する品物は
どこもデザインに変わりは無いように見えて仕方が無い。
一般的な道具で普段何気なく使用している製品は
今の形になるまでに相当洗練されたデザインになっているんだろう・・・
そんなデザインが溢れている世の中にあって、新たなデザインを生み出そうとしている
デザイナーの皆さんがつくづく気の毒に思ってしまう。
迷子になったデザイナーさんは、独創的なフォルムに走ってしまうのでしょうか?
「用の美」・「機能美」・・・どちらも大切。
なんとも難しい・・・
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