品質VS価格
今日は日曜日で考える時間があったのでかなり長文になっています。
昨今の低価格競争の記事を読んでいたら面白い結果があった。
『あなたは外食産業の低価格競争を支持しますか?しませんか?』
支持する :24%
支持しない :43%
どちらでもない:32%
えっ!?支持しないの方が多いの?
これでは牛丼低価格競争に大敗した吉野家が浮かばれない!!
どうしてなの?とよくよく内容を読んでみると、
『食の安全』・『衛生面』・『従業員の労働条件悪化』の三つが最も多い意見で、
中には『デフレ経済を助長する』などと高尚なご意見もあるようです。
低価格にした代償としてそれらが無視されるのは困るというのはごもっともな意見だ。
しかし安全や品質を意識している人が多くても、低価格には負けてしまうのだ!
家具屋 なので 家具 の話にします・・・
先日ある家具展示会での出来事です。
ある展示ブースでテーブルが一台100万円という値段が付いていました。
別なブースでは似たようなデザインのテーブルが30万という値段が付いていました。
使用している材料は全く違うがデザインはそっくりというよりもほぼ同じ!!
はたしてお客さんはどちらを選ぶのだろうか?
『牛丼理論』で考えると類似品であるならば低価格の商品が選ばれる。
要は100万のテーブル=吉野家で30万のテーブル=すき屋なのだ!
しかし価格には根拠がある、なぜその金額なのか!
どの企業も十分計算して出しているはずだから根拠があるはず!
なぜ似たようなテーブルなのに価格差が70万も出てくるのか・・・?
私は聞いてみた!
『なぜこのテーブルはこんなに安くできるのですか?』
そして帰ってきた答えがこれだ!!
『その金額が市場価格だからです』
『あぁ~市場価格ですか・・・』
まさかの回答に正直ひっくりかえりそうになりました。
製品の価格の根拠が市場価格だと言われたのだ!
(本当はそれだけでは無いはずだとは思うが・・・)
企業努力という名目で低価格にするというのはその企業の特徴でもある・・・
私たちも予算重視と言われれば品質を落とさないように気を使いながら提案もする。
しかし!単純に予算に金額を合わせるということは、
原材料・会社経費・人件費等のコストカットしかない!
『高い材料→安い材料』
『人件費が高い地域(職人)→安い地域(職人)』
へと変えなければならない。
その判断基準は『安いから』という一点にだけになる。
『価格』のみが判断基準になっている・・・
このような状況の中で我々のような企業間の競争とは
企業努力による『製品の価格競争』というよりは
予算に対応できるかどうかの『会社の耐久レース』になっている。
みんなどこまで頑張れるか・・・会社が存続するギリギリのラインを狙っている!
失敗した会社は市場から退場させられる厳しい競争です!!
私は別に価格にこだわる事が良くないと言いたいわけではない!
『価格』は確かに重要な要素だと思う。しかし価格だけが重要視される事にイラッと来ている!
『品質』も『価格』と同じぐらい注目されるようにならないものかといつも考える・・・
ただ品質のアピールは本当に難しい・・・
家具 の話から脱線します。
これは以前TVを買いに行った時の事です・・・
店に入りいろんな種類がありすぎてどれにしようか迷ってしまい困り果てた・・・
私は『家電マスター』みたいな店員にこう尋ねる。
『このTVは何が違うの?』すると家電マスターはここぞとばかりに説明してくる・・・
しかしだ!すごいマニアックな説明してきても私はポカンとするばかり・・・
『ヘイ!お兄さん!!そんなに難しい事言ってもわからんよ!僕には!』
お客さんと提供する側の価値観が一致しないと品質のアピールは難しい!
その点、価格は共通の価値観だからわかりやすいのかもしれない。
TVや雑誌などでアピールされるのはいつも『価格』だけ!
確かにインパクトはあるけど!!
最近TVCMでよく見かけるデスクセット¥39,900で販売されている・・・
正直腰が抜ける価格です。
家具の内容よりも価格の方が頭に残ってしまうくらいの衝撃価格!!
たしかに、お値段以上かもしれない。
『価格』 VS 『品質』
考えれば考えるほど深みにはまっていく・・・