特注家具・オーダー家具の株式会社森下 ~ 船堀の家具屋ブログ ~

オーダー家具・特注家具の株式会社森下 〜 社長ブログ 〜

2月2010

『日信装備㈱』へ会社訪問

昨日は打合せと称して日信装備さんの会社へ行ってきました。

本当はPM2:00に伺う予定でしたが、Z間さんからのお昼に『うまいラーメンを食べよう』というお言葉に急遽12:00に伺うことに・・・

いやぁ~海老ワンタンラーメン(大盛)+チャーシュー丼おいしかったです。

Z間さんごちそうさまでした。

なんも専務がここぞとばかりに言いたいこと言っていたのが気になりましたが・・・

 

ラーメンを御馳走になり、会社に戻ってから工場を案内してもらいました。

整理されていてとてもきれいな工場でした。

その工場を見るだけで、レベルが高い家具を造っているのだぁと思いました。

いつも自分の会社でも『綺麗な品物は散らかってる工場からは生まれない!』

と口うるさく言っています。整理整頓・・・当たり前のようでなかなかできない事です。

職人さんも色々忙しそうでしたので、工場を一通り見学させていただきそして倉庫へ・・・

 

 

この倉庫に今まで見たことがないような光景が・・・

 

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倉庫に眠る秘蔵の宝の山の一部

 

突板が大量にあったのです。これはすごい!!

目を奪われました・・・しかも今では珍しい種類まで。こんなに貴重な材料を持っている家具屋は見たことがありません!!

非常に珍しく、今では高価な物ばかりなのです。

 

Z間さん曰く

昔の特注家具業界は、どれだけ木目が綺麗な材料を持っているかで仕事が決まっていたそうなんです。

だからいかに綺麗な木目の突板を仕入れるかがポイントになったそうです。

当時の工場長などは色々仕入れに努力されていたそうです。

・・・物語を感じます。

打合せに行く時はその突板を持参して、設計士やデザイナーがそれを見て『この部分はここに使って!』『ここの部分はそこに使って』などと木目を見て使用する場所を決めていたそうです。

それだけ材料品質にこだわりをもっていた時代があったのです。特注家具の奥の深さを感じます。

それが今じゃ価格・価格・価格・・・

 

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日信装備ブログの定番!!アップ写真

 そしてこれは以前展示会で出展されたテーブルの一部の写真、ここにも職人のこだわりが・・・

そのこだわりについては日信装備のブログで近日紹介されると思いますので乞うご期待!!

 

・・・自分の会社のアピールしなくていいものか?

家具職人が造る『印鑑収納箱』

昨日このブログでお話しした、HPがきっかけで製作することになりました

印鑑収納箱をこんな風に造りましたという話。

 

 

30角のサイコロ状の無垢材にゴムをつけて印鑑をつくります。

その印鑑を収納する小箱。

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箱の大きさは持ち運びができるようにコンパクトサイズ

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箱の中身はこんな感じで収まります

 

メラミン化粧板などで製作すれば簡単な箱ですが

ナチュラルな感じを出したい』という事で今回はタモ突板と無垢材を使用して製作。

 

ここでこだわりのポイントがあります。

無垢材の接合部分ですが、見た目がキレイという事で小口をトメで接合することになりました。

 

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斜めにカットして接合することをトメと言います

 

そしてトメを接合するには色々な接合方法があります。製作する職人によってやり方は様々です。

今回は、『留形千切接ぎ』という難しい名前のやり方・・・

名前は難しいですが考え方はすごくシンプル

 

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無垢材にこのような穴開け加工をして

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このような蝶々みたいなもので接合するのです

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 このような形で組み立てます

 

通常はこのプラスチックでできた蝶々みたいなものを使用するのですが

今回は職人からの提案で蝶々が目立たないようにしようと手作りしました。

 

そしてつなぎ合わせた部分がこの写真・・・

 

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同じ無垢材で蝶々を作ったので一目見ただけでは目立たないでしょ?

 

よ~く見ると、蝶々みたいなものが見えませんか?

何度も開閉するため強度も重視して製作しています。

 

このような部分に気を使うのが職人なんです。

はっきり言ってこんな無垢材の接合部分なんか言わなきゃ誰にも伝わらない・・・

今までの職人はこういう細かいところをアピールしないんです

やってあたりまえ』という感じなんでしょうか?

だけど私は伝えます!!

特注品とかオーダー品というのはこういうところにこだわっているのです。

いかがですか?伝わりにくいでしょ

 

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こだわりを持って造った職人とツーショット

 

一緒に写真とるよ』と私が言ってもなかなか写ろうとしない職人・・・

無理やりツーショット写真を撮りました。

使う人の想い・造る人の想いがたくさん詰まっています。

なによりもお客さんに喜んでもらえた事が一番うれしいです。

それはある日の出来事でした・・・

突然一本の電話が事務所に入りました。

どうやらこのHPを見た方からの電話のようで箱の製作をしてほしいとのことでした。

家が事務所に近いという事で早速事務所にて打合せ。

なにやら専門学校の卒業課題で製作する物を入れる小物箱をどこを探してもなかったらしくHPで『木工・箱・家具』などのキーワードで色々検索した結果、弊社にたどり着いていただいたようで。

まだ他の家具屋HPの中に埋もれている我々のHPを探し当ててくれただけでありがたい話で、早速電話までしてくれることにうれしい気持ちになってしましました。

そして打合せしながら材料寸法仕様などを決めていき。

その日のうちに図面を描き、工場に製作指示をだして翌日から製作開始。

卒業課題に負けないような物を製作するつもりで我が社のベテラン職人が燃えていました。

そしてこれが完成品 P1010699

ただの箱に見えますが、お客様の細かいこだわりが詰まった箱です。 

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このサイコロ状の物を中にしまいます。

サイコロ状の物にゴムをつけて印鑑にして収納する小物入れです。

最初は箱だけの依頼だったのですが、同じ材料のサイコロ状のものをこれからホームセンターに探しに行くという事でしたのでついでに造っておきました。

 

本日午前中に学校に行く前に事務所に寄っていただきまして早速確認してもらいました。

品物を見ていただいた時の笑顔がとても印象的でした。

品物には自信があったのですが、やはり直接反応を見るまではドキドキします。

今まで何回経験してもこの瞬間は緊張します。

これまで直接お客さんと接する機会が少なかった私たち。

お客様の反応がダイレクトに感じられる事はこれからのやる気につながる事を改めて実感します。

3月頃に卒業課題としてお披露目になるそうです、私たちも楽しみにしています。

 

このような小さい箱は意外に細かい仕事が多い作業なのです。

職人がちょっとムキになって製作した物なのでこの箱の詳細な説明はまた明日いたします。