特注家具・オーダー家具の株式会社森下 ~ 船堀の家具屋ブログ ~

オーダー家具・特注家具の株式会社森下 〜 社長ブログ 〜

「キッズデザイン」・・・5㍉削る子供に安心なデザイン

本日は「キッズデザイン」のお話!   

以前、妻が新聞で見つけた面白い記事を見せてくれた。   

ちょうど先日も子供向け家具を設計している方から御問合せ頂きましたが  

なんともタイムリーなネタです!  

    

子供に安全な設計を支援、角5㍉削れば危険大幅減」   

    

なんとも驚くような記事であります!   

家具屋の私としては見逃してはならない記事であります!   

私の妻も家具屋の嫁として自覚が出てきたのでしょうか?   

    

これは経済産業省科学的なデータを共有することで   

子供に安全な製品づくりを産業界に広げる取り組みを開始したという話しです。   

    

その新聞の記事によれば・・・   

子供の死因の第一位は「不慮の事故」なのだそうです。   

年間約1200人の子供が不慮の事故で亡くなっているそうです・・・これは驚き!   

    

経済産業省独立行政法人や大学の先端技術を駆使し   

医療機関等から事故情報を収集し   

原因を追究し、改善策を講じてその情報を共有する   

実践的な行動を進めていたのだそうです。   

    

そして、共有すべき情報とは・・・   

家具や柱の角1~5㍉程度面取り作業をするだけで   

子供の頭皮裂傷のリスクがなんと!60%まで低下するそうなのです!   

    

たった小口の角を5㍉削るだけで・・・  

年間約1200人死んでしまった子供の命480人も救われるのだ!   

年間約480人の命が救われる!これは何たること!!   

    

保育園家具学校什器をこれまで数多く製作してきた私たちにとっては   

これは聞き捨てならない情報であります!   

そして、個人のお客さんの住宅家具を製作する時でも子供がまだ小さい家庭が多い!   

そのような場合は、家具を製作する時に気を使って角を丸めたりしていました。   

保育園家具などでは設計士やデザイナーからは角を丸める指示が多いです。   

今までは「角が当たったら痛いでしょ!」的な感覚と言いますか・・・   

それこそ、永年の感みたいな感じでやっていました。   

それが、科学的に証明されたのです!!   

    

    

それでは、具体的にどのように角を5㍉削るのか?   

やり方は沢山ありますが、モリカグがこれまで実際にやってきた方法とは・・・   

    

    

①家具の扉を全てメラミンポストフォームという材料で製作する   

    

ポストフォームとは、メラミンで製作したパネルなのだが角が丸められる特殊な材料です   

様々な場所で活用されています。名前を聞いてもわからないかもしれませんが   

    

   化粧板を曲面加工したもの。曲面加工により角で怪我することがなく安全性が高い。   

    また厚みを感じにくく見た目も柔らかい。   

   学習机や扉、出窓、洗面化粧台、カウンターなどによく用いられる。   

    

と説明しているHPもあります。   

    

森下のホームページ製作事例でも掲載していますが   

    

   

こちらの家具はポストフォームで製作しています   

    

わかりづらいですね・・・   

扉が全てポストフォームで製作してあるんです。   

    

    

    

②家具の小口面を無垢材で仕上て、角を削る!   

    

これは比較的多くの家具で採用されている方法です。   

ポリ板やメラミン材を丸めたり、角を落とすことは基本的に不可能です。   

ポストフォームはメラミンですが・・・)   

だから、小口の部分を無垢材で仕上るのです。   

無垢材なら自由に削れるので様々な大きさや角度で削れます。   

    

   

こんな風に削ります   

詳細はコチラ!   

    

無垢材だとここまで削れます!   

そして塗装して仕上作業に入ります。   

    

    

    

以上の二つの方法です。   

しかし!ここで現実が待ち構えています!   

ポストフォームにしても無垢材仕上にしても   

製作工程が増加します、確実に短納期の物件では難しいです。   

そして工程が増えるということは、その分価格に反映されてしまいます。   

はっきり言ってしまうと、価格は高くなります。   

    

納期予算が無ければ、無垢材仕上ポストフォームで仕上げたいと   

思っていても出来る部分と出来ない部分があります・・・   

私が社会奉仕の心採算を考えずに家具を製作すれば話は別ですが・・・   

何分まだ未熟者ですから・・・そこまでの勇気がございません。   

しかし、これはこれで「仕方が無い!」と割り切っています!   

納期はある程度我慢するとして、予算が無いのでは話にならない!   

家具屋にも生活がありますから!   

    

とは言っても、考えてみるわけです・・・   

いくら「予算がないから角は削れません」といっても   

たった5㍉角を削るだけで年間約480人の子供が助かるのかと   

思うと少々複雑な気分になります。   

代替案として思いつくのは・・・   

5ミリまで削れないけど「パネフリ」という樹脂エッジを使用すれば   

ポストフォーム無垢材仕上に比べれば少し安くできます。   

    

    

経済産業省が知識として広めることは素晴らしいとして   

文部科学省厚生労働省は実際に知識を実行に移せるだけの予算を組まないと・・・   

経済産業省の活動とはいったいどうなってしまうのか?   

と言うよりは・・・家具屋に仕事が回ってくるまでに一体何社ぐらいの業者が入っているんだろう?   

そんな事では、国が予算を組んでも実際に製作するところにお金が回らなければ   

意味が無いですね~   

末端業者はツライですね~   

    

仮に適正な予算が組まれたとしても、家具屋に辿り着くまでの 

中間業者が先に予算を確保してしまい   

「残りの予算で家具を作りなさい!」というのが現実でしょうか・・・   

末端業者はツライですね~   

    

国の話だけでは無いです。   

家を中心とした生活空間の中に危険がいっぱいの状況で   

その一端が家具にあると考えるとちょっと複雑な気持ちになります。   

予算も大切ですが安全は第一です。   

子供がいる家庭でオーダー家具を製作する場合は   

今まで以上に注意が必要だなと改めて思う新聞記事でした。   

    

たった5㍉・・・されど5㍉!   

    

「お金は後からついてくる」といろんな方がおっしゃっていますが   

以前から申し上げているように、私の後ろにはまだまだお見えになっていないようです・・・   

社会奉仕の心を養っていくにもお金は必要ですね。   

志や信念だけでは生活はできない・・・と思います。   

しかし・・・  

お金が優先される世の中ではありますが、想い信念が無ければ仕事は出来ない!  

と思う訳です。  

お金とは想いや信念を達成する手段の一つなんだ! 

と思ってはいるんですが・・・   

    

何を最優先に考えるべきか?   

それはその家具を使用する人・製作する人等の家具に関わる人次第ですね。   

昔のドラマで「そこに!愛はあるのかい?」と江口洋介も言っていました。   

私も江口洋介のように言えるくらい大物になりたいと思ってはおりますので・・・   

日々修行の毎日であります。   

現実の世界はなかなか厳しいものではありますが・・・   

自分の想い信念貫けるような人になりたいと思います。   

    

思うだけではダメですね~  

それでは、自分の信念にもとづいて5ミリ削りましょうか・・・?  

やってやれない事はないでしょうか?  

採算を考えないのは企業として如何なものか・・・?  

しかし・・・全ては命あってのことですから  

なんとも悩ましい問題です!   

    

    

    

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